フロアプランの描き方

フロアプランがあれば、間違いなく複数の仕事を同時にこなすことができます。将来のインテリアを細部まで計画できるうえ、設計ミスの可能性も最小限に抑えられます。フロアプランは、正確な建築やリノベーションを行うために必要不可欠なものです。この建築やリノベーションに不可欠な図面は、紙に手書きで作成することも、ソフトウェアの助けを借りて作成することもできます。

Live Home 3D で作成された家のフロアプラン。

プランの種類

紙に描かれたフロアプラン

フロアプランを紙に書くことで、プロジェクト全体の大まかな構想から細部までをイメージしやすくなります。重要なメモや場所を強調するために、一般的な記号に加えて、自分用の記号やマークを自由に使うことができます。

この伝統的な方法でも問題なく使えます。しかし、紙に描かれたフロアプランを他の人と共有して意見をもらうなど、より柔軟かつ多目的に使いたいのであれば、パソコンやタブレットで描いたデジタル版の方が適しています。

鉛筆、定規、コンパスを使って紙に描かれたフロアプラン。

パソコンやタブレットで作成されたフロアプラン

この方法は、テクノロジーに詳しくないユーザーには複雑すぎるように思えるかもしれませんが、初心者のDIYユーザー向けに設計されたシンプルなプログラムも数多くあります。

全体的に見て、パソコンでフロアプランを作成することにはいくつかの利点があります。

  • コンピュータのツールを使えば、作図のスピードが格段に上がる。
  • 後で簡単にプランを修正できる。
  • フロアプランを基に、3D プランをすばやく作成できる。
  • 距離に関係なく、他の人と簡単にプランを共有できる

以下の記事では、パソコンでフロアプランを作成する手順について解説します。

始める前に:準備

現地計測

新築ではなく、既存の住宅やアパートを修理・改装する場合、最初に行うべき作業は、外壁の寸法を測り、内壁のサイズを決定することです。ドアや窓の間のすべての距離、それらの高さと幅、および床からの高さを測るのを忘れないでください。また、モールディングのサイズを測ることも重要です。iPhone や iPad の ルームスキャナを使えば、部屋のサイズを測って、瞬時にデジタルのフロアプランを作成できます。

新築を計画している場合

もちろん、新しい家を建てるのが目的であれば、前の手順は無視して構いません。その代わり、現在の市場のトレンドや物件を分析し、最終的にどのような建物にしたいのかを決めることが重要です。たとえば、何階建てにするか、寝室・バスルーム・出入り口はいくつ必要かを決める必要があります。フロアプランでよくある失敗を避けるには、将来の家をしっかりと計画しておくことが大切です。

どこから始めてよいかわからない場合は、ネット上にさまざまな既製の住宅プランがあります。専門の建築サイトをチェックして、自分の好き嫌いを把握しましょう。

パソコンでフロアプランを描く方法

前述のとおり、フロアプランはデジタル形式で作成することをお勧めします。最新の技術を使えば、タブレットでもこの作業が可能です。これは、この種のデバイスに移行した人たちにとって嬉しいニュースです。

iPad と iPhone の Live Home 3D アプリで作成した、家の 3D ビュー と 2D フロアプラン。

インテリアデザインソフトウェアを探す

ホームデザインアプリには、シンプルなものから、本格的なプロ仕様のものまでさまざまな種類があります。オンラインで動作するものもあれば、デバイスにインストールするものもあります。

通常、デバイスにインストールされるネイティブソフトは、より多機能であり、オペレーティングシステムの力をフルに引き出します。その良い例として、iOS アプリが OS のサポートする AR(拡張現実)技術を利用するケースが挙げられます。オンラインソフトウェアは通常、動作が遅く、機能も制限されており、インターネット接続がなければ使えません。

この記事では例として Live Home 3D を取り上げます。Live Home 3D はマルチプラットフォームのホームデザインソフトで、Windows、macOS、iOS、iPadOS、visionOS、Android 向けにネイティブアプリを提供しつつ、プロジェクトはプラットフォーム間で共有できます。

プロジェクトのスケールを選択する

作業を開始する前に、プロジェクトのスケールを決めなければなりません。部屋の場合は 1:25、アパートの場合は 1:50、家の場合は 1:100 が一般的なスケールです。

Live Home 3D で適切なスケールを選択するには、プロジェクト設定を開いてオプションを選択します。

フロアプランと Live Home 3D のプロジェクト設定ダイアログにある「測定値」タブ

測定単位を選択する

家のプランを作成し始める前に考慮しなければならないもう 1 つのポイントは計測単位です。使用される計測システムは、国や地域によって異なります。通常、世界各国で販売されているソフトウェアには、主要なオプションがすべて含まれているため、自分に合ったものを選ぶようにしてください。

Live Home 3D はデフォルトでヤード・ポンド法(例:インチやフィート)を使用しますが、メートル法(例:メートル)にも簡単に切り替えられます。切り替えるには、ドキュメントウィンドウの左上にあるドロップダウンリストをクリックするか、プロジェクト設定ダイアログボックス内で選択します。

フロアプランと計測単位の選択(Live Home 3D Pro)。

壁を描

フロアプランは、まず外壁から作成します。どのホームデザインアプリにも、直線の壁を作成するためのツールが用意されています。それを使って、部屋や家の外周を描きましょう。

アプリによっては、カスタム形状の空間を作れるツールを提供しているものもあります。Live Home 3D の建築用ツールのコレクションには、円形の部屋やアーチ型の壁など、より複雑なプロジェクトにも対応できる「弧状の壁」機能が備わっています。

内壁は、家の中を仕切って個別の空間を生み出します。フロアプランに沿って、内壁を慎重に追加していきましょう。

Live Home 3D Pro for Mac のフロアプラン。

床と天井を描

壁を追加し終わったら、床と天井を描いて部屋を完成させます。

Live Home 3D では、「床&天井(ポリゴン)」などの特殊なツールを使うことで、任意の形状の床や天井を作成できます。また、「天井開口部(長方形)」や「天井開口部(ポリゴン)」を使えば、天井に開口部を設けることも可能です。

「床&天井(ポリゴン)」ツールが選択された状態のフロアプラン(Live Home 3D Pro for Mac)。

ドアや窓を追加する

すべての壁、床、天井を描き終えたら、ドアと窓を追加します。

Live Home 3D では、豊富なオブジェクトを収録した内蔵ギャラリーからドアや窓をドラッグ&ドロップでき、それらは壁に自動的に組み込まれます。

窓オブジェクトが配置されたフロアプラン(Live Home 3D Pro for Mac)。

寸法と面積を追加する

オブジェクト間の長さを測定してマーキングすれば、重要な距離を強調できます。また、フロアプランで重要なのは面積表示なので、必ず入れるようにしてください。

フロアプランと「寸法」ツール(Live Home 3D Pro for Mac)。

各エリアを色分けして表示する

フロアプランの各エリアを異なる色で塗り分けると、見栄えが良くなるだけでなく、複数の空間を視覚的に区別しやすくなります。

Live Home 3D では、デフォルトでフロアプラン上のすべての壁と床が同じ色で表示されます。プランをより見やすく魅力的にするために、2D 図面の塗りつぶし、ストローク、ハッチのパラメータを調整して、部屋ごとに別々の色を設定できます。また、アウトライン表示とラスターイメージ表示を選択でき、後者ではフロアプラン上のすべてのオブジェクトが実際の色で描画されます。

それぞれのエリアを別々の色で表示したフロアプラン(Live Home 3D Pro for Mac)。

部屋にラベルを付ける

アパートや家の各エリアにラベルを付けましょう。

フロアプランを分かりやすくするもう 1 つの良い方法は、ホール、キッチン、ダイニングルーム、バスルーム、寝室など、各部屋の名前を明記することです。部屋のラベルを付けることで、フロアプランはより読みやすく、洗練された印象になります。

それぞれのエリアを別々の色で表示したフロアプラン(Live Home 3D Pro for Mac)。

家具と階段を追加する

ここからが、デジタルのフロアプランの本領発揮です。家具を追加して配置を調整し、自分好みのレイアウトを見つけましょう。

通常、階段、風呂、シャワー、トイレ、洗面台などの基本的な設備から先に配置します。次に、キッチンに必要な家具をいくつか配置し、調理台やコンロ、流し台、冷蔵庫、ダイニングテーブルの位置を決めます。その後で、ベッドやテーブルはもちろん、観葉植物や装飾品なども加えていきましょう。

家具が配置されたフロアプラン(Live Home 3D Pro for Mac)。

立面図でフロアプランを調整する

立面図は通常、専門的な建築ソフトで使われますが、DIY プロジェクトにも役立ちます。この機能は、プロジェクトを横から見たときの図を表示するもので、窓、開口部、ニッチ、壁パネルなど、通常床より高い位置に配置されるオブジェクトの位置を正確に調整するのに役立ちます。立面図は、後で書き出したりプリントしたりすることで、フロアプラン全体のイメージを把握するのに便利です。

Live Home 3D Pro は、手頃な価格で立面図が使える唯一のアプリです。

Live Home 3D Pro for Mac の立面図。

フロアプランを画像ファイルに書き出す

これで完成です!フロアプランの準備が整いました。作業が終わったら、家族や友人、請負業者と共有できるように、フロアプランを画像として書き出しておくと便利です。

Live Home 3D では、わずか数回のクリックでフロアプランを書き出せるうえ、最終イメージを思い通りに仕上げるための高度な書き出しオプションも利用できます。このアプリは、PDF、BMP、TIFF、JPG、PNG など、複数のグラフィックフォーマットへの書き出しに対応しています。

Live Home 3D Pro for Mac の書き出しダイアログ。

作成したインテリアを 3D で見る

Live Home 3D のようなソフトウェアを使うと、ちょっとした特典も得られます。フロアプランを作成している間に、3D ビューが自動的に作成されます。

そのため、もっと視覚的に操作したいときは、3D ビューに切り替えて、そのまま編集を続けられます。紙にフロアプランを描いていたのでは、そんなことはできません!

Mac 版や Windows 版の Live Home 3D を持っていれば、プロジェクトのリアルなレンダリング画像を無制限に生成して共有でき、料金も一切かかりません。

Live Home 3D Pro for Mac の Split View モード。

弊社の「フロアプランを作成する」チュートリアルをご覧いただき、今すぐフロアプランを描き始めましょう。

それでは、素晴らしいフロアプランができますように!

公開日:2025年6月